2021年度 第8回IRMAILサイエンスグラント
「横河電機賞」・「フォトロン賞」・「アイリックス賞」・「Markforged賞」採択者発表


横河電機賞


  • 採択者  神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 界面材料工学研究室
         特命助教 森田 健太 先生

  • テーマ  「がん細胞を"内側から固めて"殺す自己組織化ペプチド薬の抗がん作用機序の実証」

≪研究について≫
現在のところ、特定のがん細胞を殺傷する自己組織化ペプチド薬の作用機序としては、細胞内の特定の生化学的、あるいは物理的な刺激に応答し、細胞内でゲルを形成することが要因と考えています。しかし、ペプチド型ゲル化剤が実際に細胞内で働く過程を、ダイナミックかつ定量的に追跡することは困難でした。そこで、超低侵襲スマートインジェクター(横河電機社製)を用いてサンプルを定量的にシングルセル内に導入し、その後の経過観察を行うことで自己組織化ペプチド薬が細胞内でゲル化する過程を確認します。また、対照として高分子ゲルを導入し、低分子ゲル化剤と同様な細胞殺傷効果が表れるのかを確認する予定です。

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フォトロン賞


  • 採択者  東北大学 大学院情報科学研究科 システム情報科学専攻 知能ロボティクス学講座
         特任准教授 荒井 翔悟 先生

  • テーマ  「高速アクティブビジュアルサーボ」

≪研究について≫
ビジュアルサーボは、カメラで撮影した画像を時々刻々フィードバックする位置決め制御系です。人間で言うと、たとえば、手に持ったコップと牛乳パックを見ながら牛乳を注ぐという作業が該当します。FA分野ではあまりビジュアルサーボ技術の応用例がありません。その原因の一つに、位置決め精度と速さの問題があります。FAでは、この二つを両立させる、つまり高精度かつ高速な位置決めが必要になります。この問題を解決するために私達は新しいビジュアルサーボ(アクティブビジュアルサーボと呼んでいます)を提案して、研究に取り組んできました。これまでの研究で、従来と比較して高精度な位置決めが可能であることがわかっています。今後は、位置決めのスピードに焦点を当てて、高速な位置決めが可能であるかを検証します。

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アイリックス賞


  • 採択者  大阪大学 大学院生命機能研究科 個体機能学講座 初期胚発生研究室
         助教 下條 博美 先生

  • テーマ  「着床前胚発生過程における多能性因子の発現動態およびHippoシグナル伝達動態による
         細胞運命決定機構の解明」

≪研究について≫
ライトシート顕微鏡を用いることで、生きた胚全体における多能性因子などの発現動態を正確に捉えることを目指します。細胞の増殖や分化、移動、細胞死といったイベントと各因子の発現との関係や、各因子の発現動態同士の関係を明らかにします。これらの解析を通して、着床前胚における細胞動態と細胞運命制御因子の発現動態との相関を明らかにし、運命決定がなされる条件や、運命決定のタイミング制御機構を明らかにすることを目指します。

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Markforged賞


  • 採択者  茨城大学 大学院理工学研究科 工学野 機械システム工学分野
         准教授 小貫 哲平 先生

  • テーマ  「軽量高強度部品で構成される搬送ロボットの開発」

≪研究について≫
現況の産業用ロボットや配送用ロボットより小ぶりな荷物運びロボットを実現させるための骨格・外殻の開発研究に取り組んでいきます。Markforged社の3Dプリンターを始めとした最近のフィラメント積層式プリンターには、エンジニアリングプラスチック、複合材料、金属材料、ゴム材料など様々な種類の材質を取り扱えるものもあります。3Dプリンティング技術を用いて軽量高強度な材料で構成された架台構造の開発、衝突衝撃を軽減させるための柔軟な材料による緩衝構造の開発、について研究していきます。

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