2017年度第4回IRMAILサイエンスグラント
「ヴァーダー・サイエンティフィック賞」・「パイオニア賞」採択者発表

この度は第4回「IRMAILサイエンスグラント」に多数のご応募を頂き、誠にありがとうございました。
厳正なる審査の結果、各賞の採択者が決定いたしましたので、発表させていただきます。
採択者とテーマは以下の通りです。

ヴァーダー・サイエンティフィック賞


  • 採択者  名古屋大学 教養教育院

  •      講師 伊藤英人 先生

  • テーマ  「ボールミルによるナノグラフェン類の精密ボトムアップ合成」

【現在の研究の内容・目的】
私は有機化学の力によってナノメートルサイズのグラフェンである「ナノグラフェン」を精密に合成する手法の研究に取り組んでいます。 ナノグラフェンはグラフェンから引き継ぐ高い電荷移動能や半導体特性などから有機EL、有機電界効果トランジスター、有機薄膜太陽電池などへの応用が期待できる次世代炭素マテリアルであり、その性質は周辺構造や大きさによって大きく変化します。様々な合成手法があるなか、有機合成化学の力によってベンゼン環一枚一枚の微細な構造を精密に制御して作る「ボトムアップ合成法」に注目が集まっています。しかしながら、本合成法では原料あるいは生成物が有機溶媒に溶けないという「溶解性問題」と常に向きあう必要があり、このため溶解性を向上させるアルキル置換基をつける必要が生じることや、濃度、温度、分子量の大きさ、反応スケールなどに大きな制限が生じてしまうといった問題を抱えています。

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パイオニア賞


  • 採択者  東京農工大学 大学院農学研究院 応用生命化学専攻

  •      教授 蓮見惠司 先生

  • テーマ  「納豆の摂取は血流を改善できるか」

【現在の研究の内容・目的】
微生物由来の生理活性物質の探索・作用解析を通じて医薬開発への橋渡しをすることが目的です。
主な研究内容は、血栓溶解(細胞外プロテオリシス)や炎症(組織修復や組織線維化のプロセス)の制御に有効な生理活性物質の探索と評価です。
これまでの研究で、内因性の血栓溶解を促進する生理活性物質を多数発見し、バイオベンチャーと共同でその一つを脳梗塞治療薬として開発しています。

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  2014~2016年の採択結果もご覧いただけます。
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