中央大学 理工学部 精密機械工学科 |
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【研究について】
現在の研究の内容・目的
細胞の操作や解析、また、細胞が持つ構造や機能の再構成を行うためのマイクロ流体工学の開発研究を25年にわたり行ってきました。最近では、オープン型マイクロ流体チップ
を用いた細胞配列や、液滴技術を用いた人工細胞の構築などを行っています。前者は、流路のふたがなく空気中に開放されているため、細胞を配列させた後に外部から採取する
ことができ、細胞スクリーニングへの応用が期待されています。後者では、細胞膜を構成する脂質分子を含むオイルのシェル構造をマイクロ流体デバイスを使って製造し、
そこから細胞を模擬した構造や機能を持つ人工細胞を効率よく生産する技術を開発しました。マイクロ流体チップは、その小型さから、宇宙におけるバイオ実験に必要不可欠な
要素でありながら、日本ではまだ関連した研究が十分ではありません。本研究では、「宇宙における食糧生産」を長期目標とし、マイクロ流体工学を援用した、制御可能な
発酵技術を開発します。
今後どのような研究に取り組まれるのか
人間が宇宙空間に長期滞在する計画が進むなかで、エネルギーや資源の制限から、豊かな食体験を実現するための新しいフードテックの確立が急務です。微生物発酵は、保存性、
栄養性、風味の付与が可能であり、加熱を必要としない持続可能な調理法として宇宙空間での利用に大きな可能性を秘めており、精密な反応環境の理解と制御技術の確立が今後の
鍵となります。本研究では、マイクロ流体工学を駆使し、精密で再現性の高い発酵カプセル構造体を構築します。発酵微生物や栄養素、調味成分を水系の微小カプセル内に封入
し、発酵プロセスを精密に可視化します。マイクロ流体デバイスを用いることで、カプセルのサイズ、形状、構成成分の空間的配置を精密に制御できる点が、従来の食品加工や
発酵制御には見られなかった大きな利点です。さらに、得られた知見を、模擬微小重力環境や将来的な宇宙実験にも展開し、宇宙空間における発酵制御と食料生産の実現性を
高めたいと考えています。
今後の研究応用の展望など
マイクロ流体デバイスは、宇宙において必要不可欠な要素技術になっていくことは確実ですが、私自身も、完全な手探りからのスタートとなります。
IDDK社をはじめ関係者との議論や助言をいただきながら、日本の宇宙開発事業の一助となれるようにがんばっていきたいと思います。
【IRMAILについて】
いつも、興味深く拝見しております。思いがけない技術や製品に出会うこともしばしばあり、研究開発の貴重な情報源となっています。
先生のより詳しい研究内容はこちらから
中央大学 理工学部 精密機械工学科