クレアフォーム賞 受賞者インタビュー

山形大学 学術研究院
准教授 加納寛子 先生

受賞者プロフィール

学歴:
1999年
2003年
2004年

2009年

現在に至る


東京学芸大学教育学部・同大学院修士課程修了
愛知産業大学 短期大学部 講師
早稲田大学国際情報通信研究科博士課程単位取得終了
山形大学学術情報基盤センター 助教授
山形大学基盤教育院 (学術研究院) 准教授

【研究について】
現在の研究の内容・目的
情報教育およびサイバーサイコロジーを専門とし、デジタル社会における心理・行動分析、フェイクニュースやネットいじめといった情報社会の諸課題の解決、さらにはAI・
IoT・ロボティクスと人との関係性に着目した研究に取り組んできました。現在はその延長線上に位置づけられる実践研究として、地域文化をSTEAM教育に転換することを目的
に、3Dスキャナーを用いた文化財のデジタルアーカイブ化とその教育資源化を進めています。とりわけ、山形県の過疎地域に点在する歴史的文化財を対象に、非接触で高精度な
3Dスキャン技術を活用し、小中高生が視覚的・触覚的に地域文化に触れられる教材を開発しています。これは、情報技術による文化的価値の再発見・再構築と、次世代への継承
の橋渡しを目指す取り組みです。
今後どのような研究に取り組まれるのか
取得した3Dスキャンデータを用いて、文化財体験のAR/VR・メタバース空間への展開を進め、非接触・非対面での文化体験学習のあり方を探究します。同時に、これらの教育
環境において文化財のデジタルアーカイブに対する感想を収集・分析し、デジタル学習環境における心理的エンゲージメントや学習意欲の構造を明らかにすることを目指します。
また、AIカウンセリング技術と連携し、文化体験を介した自己理解やメンタルヘルス支援の可能性にも着目していきます。これにより、「文化とテクノロジーの融合が人の心と
行動に与える影響」を多角的に捉える研究へと発展させていきます。
今後の研究応用の展望など
本研究は、教育・文化・心理を横断する領域にまたがるものであり、以下のような応用展望を持っています。
教育現場への応用:STEAM教育や探究学習の教材として、地域文化を題材にした3DデータやAR/VR体験を提供し、地理的制約を超えた学びの機会を創出します。
文化継承・観光への展開:自治体・博物館・観光機関と連携し、文化財の公開・活用の新たな手段として3Dアーカイブや仮想展示を導入することで、地域振興にも寄与します。
心理的支援との融合:AIカウンセラーやVR環境との統合により、文化資源を介した情緒的つながりやレジリエンスの促進など、教育・福祉分野への波及効果も期待されます。

【IRMAILについて】
地方に根ざした教育・文化研究に光を当てていただき、大変励みになりました。今後、同グラントを通じて分野横断的な研究者のネットワークが形成され、成果共有や連携の機会
がさらに広がることを期待しております。オンライン交流会や成果発表会など、若手・中堅研究者が互いに刺激を受け合える場の創設をご検討いただけますと幸いです。

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