シンキー賞 受賞者インタビュー

九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門(機能)
教授 加地範匡 先生

受賞者プロフィール

2000年
2004年
2004年
2005年
2007年
2010年
2011年

2011年
2016年

2018年
現在に至る

徳島大学薬学部製薬化学科 卒業
徳島大学大学院薬学研究科薬品科学専攻後期課程 修了
日本学術振興会特別研究員(PD)
名古屋大学大学院工学研究科 助手
名古屋大学大学院工学研究科 助教(呼称変更)
ERATO東山ライブホロニクスプロジェクト 研究総括補佐(併任)
名古屋大学大学院理学研究科 特任講師、
ERATO東山ライブホロニクスプロジェクト工学技術グループ グループリーダー
名古屋大学大学院工学研究科 准教授
戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)「統合1細胞解析のための革新的技術基盤」
研究領域 研究者(併任)
九州大学大学院工学研究院応用化学部門(機能) 教授


(左から)シンキー 岡本様、金房先生、加地先生、シンキー 林原様、シンキー 楢原様

【現在の研究の内容・目的】
私は、マイクロ流体デバイス技術を基盤とした細胞を触って分析できる「単一細胞パルペーション(触診)デバイス」の研究に取り組んでいます。細胞集団は、細胞ごとに異なった性質・個性を有するヘテロな集団であることが知られています。これまでは蛍光試薬や遺伝子発現系を用いた化学・生化学的手法により、単一細胞レベルで細胞の性質を明らかにする手法が中心でしたが、煩雑な操作が必要であったり、細胞そのものの性質を変えてしまったりすることが問題でした。そこで、化学・生化学的な標識を一切使わずに、非標識で細胞をひとつずつ分析する手法の開発を目的に研究を行っています。

【今後どのような研究に取り組まれるのか】
本研究では、細胞の大きさよりも小さなマイクロ流路内に細胞を流すことで、その変形能を測定します。この時、マイクロ流路そのものが有する弾性は、測定結果に大きな影響を与えます。現在用いているデバイス基剤は、高い粘性を有する二液を混合して作製するポリジメチルシロキサン(PDMS)で、その弾性率は数百kPa程度であり、数kPa程度の硬さを示す細胞の物理特性を触って評価するには少し硬すぎるという問題点があります。そこで、高粘度材料を均一に攪拌・脱法可能なシンキー社製あわとり練太郎を用いて親水性高分子材料を追加・混合し、より柔らかいデバイスを作製することで、細胞の変形能の差異を高感度に検知できるデバイスを構築したいと考えています。

【今後の研究応用の展望など】
本研究により、細胞を非標識で分析することが可能になると、幹細胞を分析した後に再利用する必要がある再生医療への応用などが考えられ、幅広い分野への波及効果が期待できます。

【IRMAILについて】
今回の受賞にあたりましては、これまで非常に労力のかかる高分子基剤の攪拌作業が一瞬で終了するシンキー社製のあわとり練太郎を利用させていただける機会をいただきました。選考委員の方々をはじめ、シンキー社様、ストラテジック社様、には厚く御礼申し上げます。

先生のより詳しい研究内容はこちらから
九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門(機能) 加地研究室